考えてみてください、家づくりの優先順位で「窓」はどこに位置しているでしょうか。もしかしたら、あまり高くなかったりしませんか?
デザイン面は後でも大丈夫? いえいえ、そんなことはありません。窓の位置やサイズ、種類は、実はデザインだけではなく住み心地を左右する大切な要素なんです。
どんな暮らしをしたいのか、何を重視するのか。そんなことを思いながら窓のことを考えてみてください。その時間は決して無駄になることなく、きっと住み始めた時に満足をもたらすはずです。
目次
1.「閉めっぱなし」にならないために
窓の役割は風や熱、光を室内に取り入れたり、また抜いたりすること。そして、景観眺望を得られること。ところが「完成してみると、意外と外からの視線が気になって」と、せっかく付けた窓にカーテンを閉めっぱなしにしているおうち、結構多いんです。
そんな「開かずの窓」にしてしまってはもったいない!
では、外からの視線問題はどうしたらいいのでしょうか。この解決にはいくつかの方法があります。
例えばその1つがガラスの種類で見えにくくすること。窓ガラスには透明のガラスと、型板(かたいた)ガラスがあります。
型板とは、表面がデコボコしていたりぼやけていたり模様が入っていたりすることでプライバシーに配慮したガラスのこと。
景色を見たい場所には透明ガラスに、視線が気になる場所は型板に、また距離感によっては透明ガラスにレースカーテンをつけるなどで光は入れながら視線をさえぎることもできます。どの場所の窓をどんな用途でつけるのか、ぜひ一度想像してみてください。
2.性能目線の窓選び
マスノホームズのコンセプトの1つが「冬暖かいを標準に」。これを実現するために重要なのが断熱性に加え、「気密性」です。
気密性を確保するためには隙間を極力作らないことが必要になってきます。では隙間はどこにできるのかというと、壁・屋根(天井)・床(基礎)をはじめ、ドアや換気扇、スイッチやコンセント、そして「窓」です。
もちろんこれらを完全になくすことは難しいですが、できる限り隙間を減らして気密性を高めることは可能です。その結果、冷気の侵入を防ぎ体に感じる温度差を減らし、快適な暮らしを得ることが実現できます。
では気密性を高める窓はというと、ベストは窓枠とガラスが固定され、開閉できない「フィックス窓(はめ殺し窓)」。開閉できないということは、隙間の開く余地がないため、当然外気の出入りはなく、採光や眺望を目的とする窓となります。
この他に、2枚のガラスを左右にずらして開くタイプの「引き違い窓」から上下にずらす「上げ下げ窓」、扉を手前または奥に開く「滑り出し窓」など、窓にはいろんな種類がありますが、左右や上下にスライドする窓は、どうしても隙間ができやすいのが難点です。
マスノホームズでは空気や人の行き来のために開閉したい場合には、基本的に「滑り出し窓」をおすすめしています。
3.眺めを楽しむ窓選び
では「視線は気になるけれど景観を重視したい」という場合はどうしたらいいでしょうか?
答えは「視線を計算する」です。リビングやキッチンフロアに立った時の目線の高さ、そして窓に面した通りを歩く人の目線の高さ。これらを計算することで、窓を生かすことができるようになります。
例えば身長180cmの人の視線が165cmの高さにあるとして、道路が家の床から何センチ下がっているかを計算して、見え方を検証します。一般的な日本の家は、ほどよい窓の高さではありますが、視線を考えた時に見られやすい計画になりがちです。
皆さんが実際にどういった景観を求めるかと言うと、空を見上げたり、遠くまで抜ける景色だったりします。その景色をいかに快適に見える状態にできるか、そこで考えるのが高さや幅。少し高さをずらしたり、横に広げて視界を広げるという手段で、外を通る人の視線を気にならないようにできます。
この計算をするため、私たちはプランの段階から実際に現地に行って脚立に乗るなどして写真を撮り、床からの見え方を検証しています。意外と写真に撮ることで「こんな見え方なんだ」と気づくことも多く、それを元にプランを微調整していくことができるように。
最終的に道路からだけでなく隣地の視線と眺望、そして日照シミュレーションを盛り込んでプランを提案します。ちゃんと窓を生かして明るい光を取り入れ、かつ視線を気にせず眺望も楽しめたら、当然暮らしの満足度はアップしますよね。
実際「家の中で空を見るって気持ちいい!」というお客様、けっこう多いんですよ。
4.カーテンは脇役じゃない
そして、窓と同時にぜひ考えてもらいたいのは「カーテン」です。意外かもしれませんが、実はこちらも早い段階で計画してほしいポイント。
だからこそ、声を大にして言いたい!
「カーテンは決して脇役ではない」!
特にリビングのメインになってくる掃き出し窓となると、床高から天井まであるため、きちんと計画しないともったいないことになってしまいます。
例えばカーテンを窓枠内に収めるのか枠の外につけるのかを考えると、最初の計画で間取りが決まった次のステップには大枠どうしたいかを考えておいてほしいんです。これは照明と同じで、後になればなるほど、失敗の可能性が高くなってきます。
気密には向かない引き違い窓は網戸が窓の外につきますが、気密の良い滑り出し窓になると網戸は内側になってきます。すると、枠内に網戸とカーテンの両方をつけることになりますよね。ですが、通常の枠内ではカーテンをつけると有効寸法がそんなに取れなくなってしまいます。
そんな時のために、スリムタイプのカーテンもありますが、さらにレースカーテンもとなると、きれいに全部を収めるためにはあらかじめ壁をふかして(手前に出して)おく必要が出てきます。どんなカーテンをつけるかにもよりますが、そうしておかないと最終的に取ってつけた感が出てしまいがちです。
できれば家のメインとなるリビングの環境はそういった違和感なく心地よい空間にしてもらいたいもの。だからこそ、早い段階のカーテン選びは重要なんです。
まとめ:窓からの光を味方に!
いかがでしょう、窓が作る「家の快適さ」、わかっていただけたでしょうか?
ガラスの形状、窓の形や種類、そして方角や屋外の景観、そして住まい方、いろんな要素を考えると自ずとそこに答えは生まれてきます。
眺望や景色、光の入り方で満足度は確実に変わってくるからこそ、お客様が何を重視したいかが大事。暮らしに快適をプラスするために、私たちマスノホームズはしっかりとこだわりをお伝えしていきたいと思っています。
なかなか最初から完成形を想像するのは難しいもの。そのため、できる限り具体的に想像するためのお手伝いをいたします。ぜひお気軽にご相談ください!