家族構成はご夫婦と息子くん、そしてシェルティのハルちゃん。共働きのふたりが日々の疲れを癒やし、子どもたちの成長を見守る住処として選んだのは、年中心地よい空気が流れる「全館暖房の家」でした。漆喰と木に包まれた空間にはいつも快適な温度が保たれ、家族みんなが気を張ることなく自然体でくつろいでいます。
木×漆喰×アイアンが作る「シンプルにかっこいい家」
――おふたりの家づくりはどのように始まったんでしょうか。
奥様:私たち夫婦は、性格も考え方も180度違うんです。べったりと愛を語るような「カップル」じゃないけど、一緒に飲んでいたら楽しい「相棒」のようなふたり。だから最初から家に対する考え方も真逆で、私は家を建てたいし、旦那は賃貸でよかった。いくら話しても平行線で話が進まないので、彼が折れる形で見学会に参加してみたのがきっかけでした。
ご主人:正直に言うと、僕はひやかしのつもりでした。一度行っておけば収まるだろうと。でも、その家に衝撃を受けたんです。風呂場に天井がないし、換気扇もない。寒い日だったのに汗ばむぐらいの室温に正直「なんだこれは!?」となりました。どうせ建てるならランニングコストの少ない家がいい。こんなところなら住みたいって思っちゃったんです。やられました。でも結果的に建てることになってよかったです。
――全体的に自然素材を用いながら、所々のアイアンがうまくアクセントになっていますね。ビジュアル面はどちらかの好みなんでしょうか。
奥様:そこは両方ですね。人と同じは好きじゃないし、かわいさよりもシンプルにかっこよくしたくてアイアンを取り入れてもらいました。キッチン周りにある吊り下げのワイヤーラックやライティングレールは私の希望です。
ご主人:僕たちは好みがまるで違うのに、2人ともこの家は気に入っているんです。桝野さんがうまく引っ張ってくれて、どちらにも気に入るところに落とし込んでくれたからですね。
空間にも気温変化にも縛られない
――実際に「全館暖房の家」に住まわれてみていかがでしょうか?
奥様:木の感触が心地よくて、いつ戻ってきても家の中が快適。玄関を開けたときに木の香りがして、帰ってきたなと実感します。
ご主人:この快適さで今は6畳用のエアコン1台。冬でも2階までポカポカ暖かいし、僕のパジャマは冬も半袖ですけど、それどころか朝になると布団をはね上げていることもあるくらいです。
――それぞれに普段よく過ごすお気に入りの場所はあるんでしょうか
奥様:最近は個々の自由度が上がっていて、ハルもいろんなところでくつろいでいるし、息子も私たちもフリー。空間に区切りがないので誰がどこを使ってもよくて、窮屈さが全然ないんです。自由すぎるくらい! でも結局みんなリビングにいることが一番多いですね。光がほどよく降り注いで、不思議な心地よさがあるんです。
ご主人:確かにリビングが多いかな。カウンターに憧れていたこともあって、朝食を食べるためのカウターテーブルを造作してもらったんですが、子どももいるので今はダイニングテーブルが食事の主。いずれはカウンターでまったりお酒を酌み交わして過ごしたいです。
それぞれのライフスタイルに造作を
――造作がたくさんありますよね。お気に入りはどこですか?
奥様:私はキッチン背面のカップボードですね。すっきりと収納できて気に入っています。こどもスペースはサイドの造作棚に折り紙やクレヨンなどいろんな道具を収納できて、息子がいつも工作を楽しんでいます。
ご主人:僕は2階に作ってもらった釣具コーナーです。ロッドやリール、ルアーをディスプレー収納できて、大満足です。アウトドアが趣味なので、庭でテントを張って過ごしたり、今後は庭ももっと活用したいですね。
――他に間取りでこだわられた部分はどこでしょう
ご主人:まず希望したのはハルのトイレでした。洗面横にタイル張りのスペースを作ってほしいと。実際掃除が楽ですし、すぐ近くに換気口があるので匂いも全く気にならない。この換気口が床にあることにも驚きました。実は天井より匂いは下に溜まるものなんですね。おかげで焼き肉をした日ですら匂いが残らない。目からウロコでした。
誰もが自然体でいられる空間に、性格まで変化
――賃貸とはやはり勝手が違いますよね。住み始めて変化はありましたか?
奥様:家を建てて一番変わったのは私かもしれません。前の賃貸では、料理は主人が担当でした。私が潔癖症なので、掃除に時間と精神力が削られて疲弊してしまい、料理まで手が回らなかったんです。ここに来て無垢の床材のためか以前ほど些少な汚れや傷は気にならなくなり、おかげで心の余裕ができて料理もできるようになりました。床の傷も主に息子がおもちゃを落とした傷。自分たちがつけた椅子のへこみも含め、むしろ思い出として愛着を持てるようになっています。
ご主人:僕たちはふたりとも仕事があるし、息子も保育園があって、この家で一番長い時間を過ごしているのがハルなんです。以前住んでいたところでは、車の音がすると鳴いて出迎えてくれたんですけど、最近は心地良すぎて寝入っていることも結構ありますね。
奥様:住まいに求めるのは「3人と1匹の居場所」。自然体で過ごせる日々が送れるようになって嬉しいです。