昭和から平成の時代にかけて、シックハウス症候群が社会問題となりました。建築材料や家庭用品から揮発する化学物質が室内に滞留することによって、めまい、吐き気、頭痛、目・鼻・のどの痛みなどの症状が現れるものです。
これは住宅の気密性の向上や冷暖房の普及、ライフスタイルの変化などに伴って、家全体の換気量が減少したことによります。シックハウス症候群をきっかけに、平成15年に法改正され、新築する際には家全体を24時間機械換気することが原則義務化されました。
(室内の換気を換気回数0.5回/hの能力を有する機会換気設備の設置が原則義務化)
換気設備には3種類ある
換気の仕組みは、部屋の中に空気を取り入れる給気側と空気を部屋の外に出す排気側とで考えます。
換気設備には、給気側と排気側ともに換気ファンを設ける第一種換気方式、給気側のみに換気ファンを設けて排気は自然排気で行う第二種換気方式、排気側のみに換気ファンを設ける第三種換気方式があります。住宅では主に第一種と第三種が採用されています。
機械換気では、換気ファンを取り付けた個所から100~150mm程度の太さのダクト管を経由して吸排気を行うのが一般的です。
マスノホームズが推奨する換気のあり方
第一種ダクト式換気方式は、排気だけがダクト管を通る第三種と違い、給気もダクト管を経由させます。
ダクトの清掃や交換は5~7年ごとに業者に頼むのが一般的ですが、給気側のダクトは肺の中に入る空気を送る部分だけに、衛生面へのリスクが高まってしまいます。
また換気設備が給気・排気の2つになるため、光熱費や維持メンテナンスなどのコストも高くなります。
第一種換気方式のうち熱交換型には建物の中の温度を一定に保つメリットがありますが、熱を回収する際に、ホルムアルデヒドなどの化学物質も一緒に回収して室内にリターンしてしまう恐れも生まれます。
これらの理由から、マスノホームズでは排気のみを機械で行う第三種換気方式のダクト式を推奨しています。私たちがつねに呼吸している空気は、健康に大きな影響を与えるもの。
換気を計画する際には、将来にわたっての室内環境の衛生を重視されることをおすすめします
地熱利用換気システム(DSDD)を採用
地熱利用換気システム(DSDD)は、床下の地熱を利用して効率的な換気を行うシステム。
さらに第三種ダクト式換気方式でありながら、排気の熱を給気へと衛生的に回収する熱交換型の換気システムです。
冬季の場合なら、外気は基礎内から熱交換用パイプシャフトを経由して空気が温められます。
真冬の1月早朝、南大阪で建てたお家で室内側の給気口付近の温度を測定したところ、16℃前後でした。また換気ファンと給気口がそれぞれ1カ所だけなので、維持メンテナンスが容易なのもDSDDのメリットです。
シンプルな機械換気で、快適な室内環境を実現してみませんか。